事例3農地所有適格法人 株式会社那須の農（みのり）
●設立までの経緯
| 平成11年10月 | 那須TMR（株）設立 那須TMR利用者懇談会設立（畜産農家２７名） |
| 平成18年6月 | 那須TMRセンター建設 |
| 平成19年3月 | （株）那須の農設立 |
<目的> 地域農業に貢献
①経営の大規模化による過重労働・過剰投資の軽減に貢献
②未利用地・未利用資源の活用による乳肉の低コスト高品質生産に貢献
③耕畜連携による地域循環型農業の実現に貢献
④地域観光資源と農業の一体化に貢献
●組織概要
| ・資本金 | 29,200千円 |
| ・株主 |
38名 農業者32名（那須TMR利用者懇談会会員ベース） |
| ・役員 | 取締役5名／監査役2名 |
| ・従業員 | 9名（パート、臨時を含まず） |
コントラクター事業
●取組内容
| <作業委託（27年度実績）> | ［受託戸数］ | ［受託総面積］ | ［総生産量（総生産ロール数）］ |
| ・飼料用稲の収穫・サイレージ調整 | 45戸 | 116.1ha | 約2,270t（8,120ロール） |
| ・トウモロコシの収穫・サイレージ調整 | 26戸 | 86.6ha | 約4,070t（7,680ロール） |
| ・堆肥散布 | 57.2ha |
<生産販売（27年度実績）>
| ・飼料稲WCSの販売 | 12,300ロール （自社生産6,500ロール、県内外調達5,800ロール） |
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収穫機械設備概要（平成27年11月時点）
| 大型トラック | 1台 | 汎用収穫機 | 3台 |
|---|---|---|---|
| 2tユニック車 | 1台 | 専用収穫機 | 2台 |
| 4tセルフローダ | 1台 | 自走式ラップマシン | 6台 |
| 軽トラック | 1台 | 固定式ラップマシン | 1台 |
| ローダー | 2台 | 自走式マニアスプレッタ | 1台 |
●オペレーター
- 通年雇用は難しく、繁忙期に地域の小規模兼業農家等を季節雇用している。
（8月末～11月中旬の10名が最多。少ない時期は2名。） - 株主の農家（役員含む）もオペレーターとして出役作業を行うが、自己畑の作付作業を優先する。
●飼料稲WCS品質管理
- 設立当初、農業振興事務所が水田農家（飼料生産者）と酪農家（需要者）を集めた会議の場で、水田農家に対しては雑草防除や倒伏対策等の徹底を求め、酪農家に対してはある程度の品質のバラツキがあること（ノークレームルール）への理解を求めた。
- 飼料の腐敗等、生産状況次第では水田農家に対し収穫の拒否を行うこともある。
●WCS供給先
| ・トウモロコシ | → | 酪農とちぎ農協（90％）、栃木県酪農協（10％） |
| ・飼料稲 | → | 酪農とちぎ農協（99％） ※飼料稲の安定供給のため、生産量は酪農とちぎ農協からの注文数量の8割程度にしている。不足量は外部調達で対応。 |
●料金設定・費用精算方法
- 料金は、毎年役員会において協議・決定している。
※輸入飼料価格と同等以下の単価であることを考慮している。
～ お知らせ ～
<作業受託料金（平成28年）>
| ・トウモロコシWCS収穫作業 | 2,800円／ロール |
| ・飼料稲WCS収穫作業 | 20,000円／10a （加算金：＋1,200円／ロール） |
| ・堆肥散布（50a以上集約の場合） | 6,000円／10a（散布のみ） 10,000円／10a（堆肥代＋散布） |
<飼料稲WCS買取価格（平成28年）>
「買取り条件＝生産圃場置場条件」で引き受けます。
| ・品質条件 | |
| 「優」（雑草混入・倒伏が見られない） | 13円／kg |
| 「良」（抜取りできる程度の雑草で倒伏が多少） | 11円／kg |
| 「可」（雑草・倒伏が散見される） | 9円／kg |
| 「外」（雑草・倒伏過多） | 買取不可 |
<飼料稲WCS畜産農家庭先届け販売価格（平成28年）>
・16円／kg
・費用精算は、酪農家と水田農家で異なり、水田農家向けは年末一括、酪農家は毎月実施。
TMR事業
●事業内容
・食品加工副産物を有効活用したサイレージの製造
<製造実績（平成27年度）>
| ・総製造量 | 9,250t |
| ・副産物使用料 | 7,100t |
| ・主な副産物 | きのこ菌床、豆腐粕、ビール粕、醤油粕、茶粕、飼料米 |
<製造概要>
| ・作業は協力会社（川崎屋運送）に委託。 |
| ・敷地は酪農とちぎ農協から賃借。 |
| ・設備は雪印種苗から賃借。 |
・TMR飼料の供給
<供給実績（平成27年度）>
| ・総供給量 | 3,540t |
| ※自給飼料は各戸庭先でミキシング | |
<供給実績（平成27年度）>
| ・作業は運送業者に委託。 |
| ・敷地は酪農とちぎ農協から賃借。 |
| ・設備は雪印種苗から賃借。 |
副産物
製品
●設備概要
| ・定置式混合ミキサー | 1台 |
| ・自走式混合ミキサー搭載フィダー車（8t） | 1台 |
| ・小型フィダー車両（4t） | 2台 |
※補助金を活用して機械類の導入・更新を行っている。
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●品質管理
- 非議決権株主として「アグリビジネス投資育成（株）」及び「雪印種苗（株）」が参画し、毎月飼料サンプル検査を実施のうえ品質を管理している。
［公共牧場受託事業］
●事業内容
・平成27年度より、那須町共同利用牧場指定管理者を受託し事業を実施している。
<概要>
| ・管理面積 | 333ha（うち草地 220ha） |
| ・放牧可能頭数 | 650頭 |
●評価
・「良い牛づくり」に取組んでいること、及び北海道への預託よりも安価であることから、農家から利用希望が上がってくる。
●当面の課題
・農業の担い手不足及びコントラクターの高齢化をどうやって打破するか。
